• 8月 13, 2025

閃輝暗点

片頭痛発作の起こる前60分以内に生じる「前兆」の中で、閃輝暗点は視覚症状に分類されます。前兆の約90%は視覚症状であり、閃輝暗点として現れる場合が多いです。固視点付近にジグザグ形が現れ徐々に拡大し、角ばった閃光で縁取られた側部凸型をとり、さまざまな程度の暗点を残します。最終的には暗点は完全に消失します。

前兆のある片頭痛患者は、脳梗塞の発症リスクが高いことが明らかにされています。一方で、「閃輝暗点のみで頭痛を伴わないもの」が脳梗塞などのリスクを増加させる、とする報告はありません。

頭痛を伴わない閃輝暗点を初めて自覚した場合、どう考えればよいでしょうか。閃輝暗点の原因が脳の器質的病変(脳梗塞、脳腫瘍など)によるものでなければ特に治療を要さない、と言えます。念のため脳の精密検査を受けて脳に問題がないことを確認しておきましょう。

文献: 頭痛の診療ガイドライン2021

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