めまいとは
私たちが自分の周囲の空間や位置を認識するときは、眼だけでなく、内耳の三半規管や耳石、手足の関節なども活用しています。こうした情報は脳に伝えられ、統合されて体のバランス感覚を微妙にコントロールしています。そのため、内耳や眼などの機能が上手く働かなくなると、めまいや平衡障害が起こります。
めまいを起こす病気には良性発作性頭位めまい症、メニエール病、突発性難聴、慢性中耳炎など耳鼻科領域の疾患がよく知られていますが、脳循環障害や脳腫瘍など、脳神経外科領域の疾患も多く見受けられます。
めまいの症状がみられる脳の病気
脳梗塞、脳出血
脳の血流が不足して、めまいに関係する小脳や脳幹の機能が悪くなって起こります。めまいのほかに、舌がもつれる、物が二重に見える、手足がしびれるなどの症状が起こることもあります。激しい頭痛や意識障害などがあると、脳出血が疑われます。
椎骨脳底動脈循環不全
小脳や脳幹部への脳血流が不足してめまいが生ずる病態ですが、脳梗塞には至っていない状態です。生活習慣病による動脈硬化、自律神経の乱れによる血管の攣縮、頚椎による血管の圧迫などが原因として考えられます。
脳腫瘍
脳と脳を取り巻く組織に生じる腫瘍を総称して脳腫瘍と言います。一般的に、悪性腫瘍は中高齢者に多く見られる傾向があり、学齢期や若年者ではあまり見られません。しかし、脳腫瘍のうちの悪性腫瘍のタイプは、乳幼児で起こるケースもあります。なお、CTやMRIによって、ほとんどの脳腫瘍の診断が可能です。専門医の診断により、腫瘍の部位、腫瘍の種類を見分けます。脳腫瘍の主な症状である慢性的な頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、視力低下などが生じたら、早めに専門医療機関で画像検査を受けることが大切です。