頭痛について
頭痛でお悩みの方はとても多いです。しばらく安静にしていると治まるケースも多いのですが、ひどい場合は仕事や家事、勉強などがはかどらず、日常生活に支障を来たします。早めの治療で痛みを軽くできることも多いので、お気軽にご相談ください。
頭痛の種類
頭痛には幾つかの種類がありますが、大きく分けて、頭痛そのものが病気である一次性頭痛と、他の病気の症状として生じる二次性頭痛があります。前者の一次性頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。一方、後者の二次性頭痛を引き起こす原因疾患としては、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などがあり、一刻を争うケースも少なくありません。意識障害を伴うケースでは救急車を呼ぶ必要があります。
頭痛の診断
頭痛でお悩みの方が受診された際には、まず詳細な問診を行い、必要に応じてMRIやCT などによる画像検査を実施します。これらを通じて頭痛のタイプを判断し、それから治療に入ります。
一次性頭痛について
頭痛外来においてもっとも頻度が多い一次性頭痛のうち、代表的な頭痛について説明します。
片頭痛
こめかみの辺りにズキンズキンと脈打つような痛みが起こるタイプの頭痛です。何らかのきっかけによって脳の血管が急に拡張したりすると片頭痛が起こりやすくなると言われています。頭の痛みに伴い、吐き気などの症状が見られることもあります。痛みが比較的に早く治まることもありますが、3日間ほど続くことも少なくなく、QOL(生活の質)が低下します。疲労やストレスが蓄積した生活を続けていると、片頭痛のリスクが高まりますので注意が必要です。
緊張型頭痛
精神的ストレスや身体的ストレスなどにより、頭に金属の輪を嵌められたような痛みが長時間続くタイプの頭痛です。中高齢者を中心として多くの方が経験されていると思いますが、肩や首の血行が悪くなると、筋肉が凝り固まってしまいます。これに伴い、周辺の神経が刺激されるので、後頭部や首筋などに痛みや不快感が出現するのです。従って、入浴や運動、マッサージなどを行い、適度に血管を拡張させることが大切です。なお、他のタイプの頭痛のなかには、入浴や運動などを控えた方が良いケースもありますので、専門医を受診したうえで対応するようにしましょう。
群発頭痛
目の奥をえぐられるような激しい痛みが1時間以上も続いてしまうタイプの頭痛です。あまりの痛さに耐えきれず、動き回ったり、転げ回ったりする人も少なくありません。涙や鼻汁が頭痛に伴って出現します。機序に関しては諸説あり、目の後ろを走っている血管の拡張説、視床下部という脳の場所が疼痛シグナルの発生に関与している説などがあります。患者数は比較的少ないのですが、働き盛りの男性に多く見られる傾向があります。誘因となるアルコール、たばこを控え、お早めに医療機関を受診するようにして下さい。
頭痛の治療について
当院では、頭痛の原因に合わせた治療を行っております。頭痛の頻度が多い方に対しては、発作の予防が非常に重要です。まずは漢方薬など既存の内服薬から開始し、効果が薄い場合は近年保険適用となったCGRP関連薬剤を含めた内服薬、注射薬を使用しております。